【完】ダンデライオン






朝食もまた、小さな丸テーブルで準備されていた。




朝は普通?みたいで、よくあるロールパンとジャムと紅茶が準備されていた。



それから、焼かれたベーコンみたいなのが出てきたけど、私が知っているベーコンとなんか味が違った…。




雪の国の朝食は割とテキトーらしく、ブランチみたいに昼食と一緒に済ませてしまう家庭やカフェも多いらしい。




昨日の夕食と比べても簡素な食事だったけど、美味しくいただけた。



食事の後は、夕食の時と違いゆっくり紅茶を飲んだりする習慣があるらしい。



食後、私のティーカップには紅茶が魔法によって継ぎ足された。



優雅にカップをすする様がとても絵になっていたエルノが、突然視線を私に移した。




「ねぇ、たんぽぽ。」




「うん?」




「僕、今日はお城の書庫に行って調べ物をするんだけど、たんぽぽはどうする?城下に遊びに行く?」




えー、今日の予定…?
決めてなかったな……。



いちいち国の外に出るとパットの相手が面倒だし、かと言って城下も昨日行ったしなぁ……



ちょっと考える……
とりあえず書庫に行ってみて、私も何か分かることがないか調べてみよう。



それから、抜け穴を使ってマグノアに会いに行こう!


…でも。エルノに「マグノアに会う」って言ったら止められるかもしれないし、「探検」とでも言って誤魔化そう……。





「うーん、じゃあ私もエルノと一緒に書庫に行く。で、気が変わったらお城の中を探検しても良い?」




「うん、良いよ」




そしてゆっくり二人で紅茶を飲んで、飲み干してから書庫へと向かった。