【完】ダンデライオン





柔らかい寝具の上に寝転がると、包み込むように沈む。
そして、私は考えていた。




ああいうものを見てしまうと、なおさら考えてしまう。




これで、本当に良かったのか…と。






永遠の命を得られる魔法をかけた国王。エルノのお父さんも。



国王が魔法を探していることを知りつつ、何か言いたげなままだった女王。エルノのお母さんも。




魔法を解除しようとしているエルノ。
だけど、本当は…決まりなんて破ってしまえば、それからのことはどうとでも出来るなのに、魔法の解除にこだわる。




そして、言われのない罪の疑惑を弁解しないまま、追放されたオオカミたちの長、マグノア。







なんで、こんなことになってしまったんだろう……?





第三者からしたら、甚だ謎の一言。


「他人の家のことには、首を突っ込むべきではない」と現代では言われているけど……。



ここまで巻き込まれては突っ込まざるを得ない。





そして、おばあちゃんやウィルさんが口を揃えて言う、「私の可能性」とは何なのか……。




そして、マグノアが誰にも言っていない「真実」に、何が隠されているのか……。




考えても考えても、答えなんて出るはずはなく。
気付いたら、私は眠りに落ちていた。