エルノは、「何かあったら呼んで」と自分の部屋に戻っていった。
私も、貸してもらった部屋に戻ってきた。
白を基調とした部屋は、フンワリして可愛い雰囲気。
コートも白だったし、エルノのお母さんって白が好きだったのかな…?
ふと、チェストの引き出しを開けてみる。
すると、何か四角いものが入っていた。
「……なに、これ…?」
四角いものは、見たことのあるものだった。
これは、写真立ての裏側……?
勝手に見るのは悪いと思いながらも、チェストを開けてしまう時点で悪いことをしてしまってる。
裏返すと、写真立てには写真が入っていた。
その写真には……
「……これは、」
それは、家族写真だった。
写真には、若い男の人と女の人。
そして、小さな子ども。
足元には、ちょっと小さめなオオカミ。
小さな子どもは、エルノなんだろう。そしてオオカミはマグノア。
じゃあ、この二人が……
エルノのお父さんと、お母さん……かな?



