【完】ダンデライオン





エルノのその表情を見て、私は慌てた。安心してもらおうと、一生懸命になった、




「いいいいや、でも!ケイスさんのとこで出してもらったご飯は美味しかったよ!」





「本当?なら良かった。」




エルノがニコッと笑って、ホッとしてる自分がいることに気付いた。



エルノには、笑っていてほしいと思っている自分がいる。




この気持ちは、一体何ていう名前のものなんだろう……。





そんなことを考えていたら、執事のようなおじいさんやメイドさんが、食事を持ってきてくれていた。




食事は一気に5皿くらいやってきた。
グラタンみたいなものとか……あるけど、やっぱり何か分からないものもある。





エルノは食事を見て嬉しそう。
好きな食べ物でもあったのかな?





「美味しそうだね、いただきます。」






エルノはナイフとフォークを片手に食事を始めた。





私も、とナイフとフォークを取ろうとして、ハタ、と止まった。





テーブルには何本かナイフやフォークが置いてある。
どどど…ど、どうしよう…。





テーブルマナーとか、あんまり知らない……。




確か、端っこから取って行くんだよね……。





私が困っていることに気付いたのか、エルノが助け舟を出してくれた。





「たんぽぽ、マナーとか気にしなくて良いよ。」





「本当……?」





「僕と、二人しかいないしね。気にしないで」






とりあえず自分で分かる範囲のマナーで頑張って食事をする。
そのおかげで、緊張でご飯の味が分からない。






お腹いっぱいになって、大広間を出た。そして、部屋に戻ってきた。