私の質問で、「このテーブルじゃないのか?」という疑問を持っていることに気付いてくれたエルノ。
「あぁ……ごめん、こっちのテーブルの方が良かった?」
「いや…別にどっちが良いとかはないんだけど……こっちの長いテーブルは使わないの?」
私がそう尋ねると、エルノはうーん…と少し答えに困っていた。
「使わないってわけじゃないけど……この部屋では執事やメイドは食事は摂らないんだ。だから、僕1人でしょ?」
「う、うん……」
「一人でこんなデカいテーブル使ったら寂しくない?」
「………確かに。」
それはそうかもしれない。
エルノは、丸テーブルに備え付けられたイスを引いて、私が座れるようさりげないエスコートをしてくれた。
日本では高級はレストランとかホテル以外でやってるの見たことないのにっ!
若干の文化を感じつつ、お礼を言うと「当然のことだから。」と笑顔で返された。
……紳士だ。



