マグノアは明らかに困っていたけど、私ももう止められそうになかった。
どんどん言葉が出てきた。
「エルノはマグノアのこと、信じてるんだよ。私、そこの穴からこの森に出てきたんだけど…。」
私は、自分が何とか出てきたあの穴を指差す。
マグノアはあまりの衝撃だったのか、すごい顔をして固まった。
私の推測が合っているなら、多分あの穴は……
『あ、あれは…私が城と森を出入りできるようにと国王が作ってくれた……』
やっぱり。
マグノアのために作られていたんだ……。
大きさ的にも、そうじゃないかと思ってた。
そして、マグノアがいなくなった今でもこの穴が塞がれていない理由は……
「いつでも、マグノアが帰ってこれるように…残してあるんじゃないかな…?また、会いたいって言ってたよ。」
そう言うと、マグノアは
『そんなはずない……私は、』
「マグノアは国を追い出された。……でも、エルノは国王を慕うマグノアの気持ちをちゃんと分かってる。だから、殺したりしないと思うって…言ってた。」
『…………』
マグノアは呆然としたまま、黙り込んでいた。



