【完】ダンデライオン






でも……私が話したいのは、本当はこれからの本題。





「そこで、色々聞いたんだ。……この国の魔法をかけた人のことも。」




『!!』




マグノアが、目を大きく見開いた。
多分、驚いたんだろう。




だけど、マグノアからは何も言葉が発せられなかった。




だから、私が言う。
そうじゃないと、マグノアに言わせるのはきっと酷なことだと思う。

  


「魔法をかけたのは…国王、だったんだね」




『…………あぁ。そうだ。』




その声は、悲しくなるほど抑揚がなく感情が感じられなかった。


表情も、真顔に近くて感情らしいものは表面には出ていない。





「魔法をかけたのは…女王のためだったんでしょ?」




『…………あぁ。』





『魔法をかけてから、国王も亡くなったんでしょ?』




『…………そうだな。』




淡々と、私の質問に同意していくエルノにやりにくさを感じる。
でも……これは、マグノアにしか分からないことだから…聞くしかない。





「エルノがね、マグノアは国王を殺したりしていないと思うって言ってた。」




『………?おい、』






会話の内容が突然変わったことに疑問を持ったのか、マグノアは呼びかけた。