マグノアは、思い出したように私に質問をしてきた。
『そういえば…なぜ私を呼び出した?』
「え?あ、あぁ……」
そういえば、本題を思い出した。
話したいことと、聞きたいことがあったんだった。
『……私もヒマじゃないんだが?』
嫌味ったらしい言い方をするマグノアは、いつも通り変わらない。
毎回呼んだら駆けつけてくれる割に「忙しい」とか、本当かどうか怪しい。
……と、私は思っている。
「話したいことがあったの。」
『私には話したいことはな「あのね、今日ウィルさんに会ったよ」
私には話したいことはない。
って言おうとするマグノアの言葉を食い気味に遮る。
マグノアが呆れたような顔で、ずっとこっちを見てるけど気にしない。
「色んなことを、教えてくれたんだ。おばあちゃんのこととか……ウィルさんてすごくおばあちゃんのことが好きなんだねぇ」
『フ……あの姉妹はどちらもお互いが大好きだからな。重度のシスコンだ。あの二人も人使いが荒い。』
マグノアは、おばあちゃんとウィルさんのことを思い出しているのか苦笑いをしている。
話し出してしまえば、マグノアは話を遮ることもせず聞いてくれる。
面倒見が良いなぁ。
だから、オオカミの長をやれているのかもしれない。



