【完】ダンデライオン







………さて。
ご飯の時間には戻るとして、マグノアに会いに行こう。




部屋の中のチェストをそっと開けると、エルノのお母さんが着ていたんだろう真っ白なコートがあった。




エルノも着て良いっぽいこと言ってたし、ちょっと借りて行こうかなぁー
と思い拝借する。




軽い素材なのに、とてもあたたかいコートだった。
おばあちゃんのローブの重さと言ったら……。





それは良いとして…私は部屋を出た。





長い廊下を抜けて……お城の中は広くて複雑な作りになっていて何回か迷った。




その度にメイドさんたちに教えてもらいながら、まずはお城の真反対に出て、森への抜け穴を目指す。




それなりに分かりやすく通り道があって、結構狭かったけど何とか通れた。




これ、狭すぎて絶対パットとかは通れないと思う。
多分、細い女の人と、子どもくらいしか通れそうにない。





お城に入った門の真反対までやってきた。

高い塀があって、これはこの国の境である塀みたい。





「えーっと……穴がある、っと……ん??」




エルノに言われた通り、私は穴を探した。
そして、あるものに気付いた。





「……もしかして、コレ……?」





確かに、塀に穴が開いてある所が一ヶ所見つかった。
でも、そこは……




「小さくない??」




穴自体が、かなり小さかった。




えっ…ここからどーしろと……?




穴の高さが膝くらい。
横幅は、肩幅とほとんど変わらない。



ほふく前進で通れるかなー?
と思いながら、雪の上に這いつくばる。