【完】ダンデライオン






コンコンと、ドアをノックする音が聞こえた。





「はい?」



と返事をする。
ドアの前に来ているのはエルノだったみたいで、「開けて良い?」と聞かれた。




許可を出すと、エルノはドアを開け部屋に入ってきた。





そして、エルノは部屋の中をキョロキョロと見回す。
……そのリアクションは何なんだろう…?




「たんぽぽ、この部屋はどう?」





「んー、なんか懐かしい雰囲気の……可愛い部屋だね」




エルノに聞かれ、そう答える。
その返事を聞いて、エルノはニコリと笑う。






「そっか、この部屋はね…昔母が使っていたんだ。」




まさかの事実に驚いて、私は大きな声が出た。




「えっ!?そうなの!?」





お母さんが使ってた部屋なの…?


それよりも、人に貸すのに客間じゃないの!?


えー、ますます色々やりにくいじゃーん。。汚したら悪いしなー……。





「この部屋にだったら母の服があるから、そのローブが脱げるよ」




あ、そんな気遣いをしてくれてたんだ……。





お礼を言うと、エルノは「またご飯の時間になったら呼ぶね」と言って、部屋を出ていった。