【完】ダンデライオン






エルノが、雪の国へ滞在している間はお城の一部屋を貸してくれると言ってくれた。




本当はそう言ってもらえないかなー…なんて期待してたから、良かった〜!




お城の中とか興味あったし、色んなところが見れそうで楽しみ☆




大広間を出て、メイドさんをしているお姉さんに部屋を案内してもらった。




「うわぁ……」






準備してもらった部屋は、豪華さみたいなものとはちょっとかけ離れていた。



部屋には大きなベッド。
ベールのような天蓋がついていて、お姫様みたい。




それに真っ白なチェスト、ドレッサー。



大きな窓には白いレースカーテン。
壁には大きな絵画。遠くに見える山々とキレイな青空が描かれてある。



そんなにきらびやかなものはないけど、部屋に置かれてあるもの全てのものの細工が、細やかで値打ちのあるものだと分かる。



シンプルだけど良い物。
そんな感じのものが揃った部屋。




部屋の中に入ると、メイドさんは私に断りを入れて立ち去ってしまった。




部屋のドアも閉まり、私は一人で部屋の中を見回す。




色々触ってみたいけど、なかなか手が出ない。





「……壊しちゃったらどうしよ…」




絶対弁償できない。




それと、私には部屋に入ってからずっとつきまとう違和感があった。



よく分からないけど、この部屋はなんだか懐かしいような気がする……



何か、知っているような……。




でも…私の家の部屋とか、おばあちゃんの家で準備してもらった部屋も、こんな感じじゃないんだけどなぁ……。


考えてもよく分からない。