【完】ダンデライオン






ものすごいヒラメキに、ついテンションが上がってしまってエルノの手をギュッと握った。



驚いたみたいでエルノがビクッとしていた。





「じゃあ!じゃあ!さっきエルノが教えてくれた森へ通じる穴を一緒に行こうよ!」




「え……?」




私の突然ながら、素晴らしく冴えたヒラメキに対して、怪訝なエルノ。


信じられない、みたいな顔をして私を見る。





「門を通らずに森へ出れるんでしょ?良いじゃん!ねっ?」




「……それは、」





エルノが全然乗り気じゃないのが分かる。
……せっかく私が提案してるのに。ダメならダメってハッキリ言ってほしいなぁ……。





「……ダメなの?」





「ちょっと…考えさせてほしいな。悪いけど、僕には王子という立場もあるからね…」





やっぱり、王子が決まりを守らないというのは良くないとか迷ってるのかな…?



でも、それはエルノの立場や気持ちを考えると、仕方ないことなのかもしれない。




「…そっか、分かった。じゃあ、私だけで今回は行ってくるね」




「うん…ごめんね。」





ひとまず、さっき教わった抜け穴を探して、一人で森へ出てみることにした。