でも、今さっきの顔は、マグノアのことを嫌がってる顔だったんじゃないの…?
私を見て、私のその疑問を察したみたいでエルノは「あー…」と困ったように言った。
そっと手が離され、エルノは言いにくそうにしていた。
「昔は一緒に住んでたし、兄弟みたいなものだったから……父が亡くなって城を追い出されて、複雑だったけど…」
まぁ、そりゃあそうだよね……。
って兄弟って………。
「最初は、周りの人たちがマグノアが父を殺したんだろうって言ってたのを間に受けてしまってたんだけど……本当にそうなのかなって、思うようになったんだ。」
「え……?」
「マグノアは、父に本当に懐いてた。オオカミというよりも、もっと従順な……」
オオカミじゃなくて犬みたいってことかな……。
ちょっとウケる。
「マグノアはニンゲンの言葉を話せるけど、あれは魔法なんだ。」
「魔法?」
私が聞き返すと、エルノは確かめるするように頷く。
「あれは、僕の父がかけた魔法だよ。」



