「さっき教えた穴から森へ出て、マグノアのところに行くの?」
「え……?」
エルノは私の手を握ったまま尋ねた。
触れたままの肌が、だんだん熱くなってきてなんだか恥ずかしい。
「そう。マグノアと話したいことでもあるのかなって思って。」
「うん。マグノアは私の友達だからね!」
そう言うと、エルノは少し怪訝そうな顔をした。
「友達……?」
「……そうだけど?」
ここまで返事をして、思い出した。
エルノとマグノアは、昔このお城に住んでいて。
王様を殺した疑惑でマグノアが国を追い出されたことを。
ややややや、や…やばい…!
な、何て言おう……
「あ!あの!でもね、マグノアはとても良い人で…」
もう、マグノアを褒めれば良いのか悪く言った方が良いのか…。
分からなくなって混乱してきた。
目に見えて焦る私を、エルノは落ち着かせようとしてくれたみたいで手をギュッと握る。
「たんぽぽ。大丈夫だよ」
「え……?」
「マグノアのことは、何とも思ってないよ」
マグノアのことを、何とも思ってない…?



