更に歩いて、結構ハッキリと塀が見える距離までやってきた。
ここまで歩いてくるのも2回目だし、昨日よりも着くのが早い。
何だかあっという間だった。
『そろそろ良いか……じゃあな。』
「ちょっと待って!!」
マグノアはあっさりと帰ろうとする。
ちょーっとあっさりしすぎじゃない!?
『……何だ?』
マグノアは自分のペースを乱されたからか、すごく不満げな顔をしていらっしゃる……
そんな怒んなくても良いじゃん……
「いや…あの、もう少し話したいなって……」
特に話すこととか、聞きたいことはないんだけど…。
何となく、一人になりたくないし、まだマグノアと一緒にいたい。
しどろもどろに言う私を、ジッ…とマグノアは見ていたけど……
『女子みたいなこと言うな。』
「女子だから!!私、紛れもない女子だからっ!!」
なんかよく分からないマグノアの吐き捨てるような言い草に、反論するけどイマイチ聞いてないみたい……。
このオオカミ、自分勝手すぎでしょ……。
マグノアは、ふぅ、とため息をついた。
『私からはもう話すことはないんだがな……。お前もないだろ?何か話があるんならまた呼べ。じゃあな。』
「えぇー!?」
……私に話したいことがあったとしたらどーすんの…。
いや、ないんだけどさ……。
私は、森の端でポツンと残された……。
残念な子みたいになってる……。



