マグノアの口から飛びだしたとてつもなく物騒な言葉にビックリする。
「ま…抹殺…!?」
『あぁ。それぐらい恐ろしい方だ。礼儀正しくいろよ。』
礼儀に厳しいから、老婆なんて言ったら抹殺されるってことかな…?
「じゃあさ…老婆って言っちゃダメなら何て言えば……?」
『………そうだな。名前で呼んだら良い。「ウィルさん」だ。名前の呼び間違いにも気をつけろ。』
「は、はぁ…?うん、分かった…」
実はふざけてるのかと思ったりもしたけど、マグノアの目があまりにも真剣で、思わず頷いた。
『分かれば良い。…会いに行くのか?』
「うん、おばあちゃんにも勧められたし行ってみようと思ってるんだけど…」
マグノアはまた驚いた顔をした。
でも、すぐにいつもの顔に戻っていた。
『そうか…あの人が勧めた、か…。ま、会ってみて驚くなよ。』
「驚く…?何に?」
意味深な発言に対しての質問はスルーされてしまい、そのままマグノアは歩き続ける。
自分の発言に対しての質問なんだから、答えてくれたって良いのに。
そんなことを思いながら歩いていたら、見覚えのある高い塀が見えてきた。



