『まぁな…お前が寝てる時に私を呼びつけて、一人で延々としゃべってたぞ。』
「はは……一人で延々…って」
マグノアはひどくウンザリした言い方だった。
聞き役がとても大変だったんだろう。
私もつい、苦笑いをする。
『たんぽぽちゃんに嫌われたらどーしようー、とか延々だぞ?そんなの私が知るか。』
「えっ…」
延々と、私に嫌われたら…とかそんなことを話してたの?
まさかそんな話だとは思わなかった。だって、そんなの本人に話すとは思えなかったし。
『人の気持ちなど、私に分かるわけがない。だからこそ、ちゃんとぶつかれとあの人には言ったんだが……』
へぇ……マグノアがアドバイスしたんだ…
『大丈夫だったみたいだな?』
私の様子を見て察したみたい。
マグノアはフッ、と笑った。
もしかして……
「もしかして…マグノア、心配してくれてたの…?」
『そんなわけないだろ。』
何となく、確信はあった。
私とおばあちゃんのことを気にかけ、心配してくれていたんだと。
マグノアは即答で否定したけど、多分、違う。
マグノアは照れ隠しのように、更に歩みのスピードを早め、私を置き去りにしようとしていた。
「ちょっと待ってよー!」
『…それならサッサと来い。』
マグノアを追いかける、私の足取りは軽かった。



