【完】ダンデライオン







勝手に歩き出すマグノアに置いていかれそうになるけど、後ろをついて歩く。



また、雪が静かに、ハラハラと降りだした。





『…あの人とは、話せたか?』




マグノアは突然に、私の方を見ないまま質問をしてきた。
質問の意図が、よく分からない。



それでも、聞かれるがままに答える。





「えっ…?う、うん。」




『そうか……気を落とすなよ。』




「えっ…?」




突然のマグノアの言葉にビックリして、思わず足が止まる。



マグノアも、それに気付いたみたいで足を止めた。そして私を振り返り見た。





『あの人は、本当の意味でお前を自分の孫だと思い、愛しているからな…お前が他人だと壁を感じることはない。』




「……マグノア…」





心配してくれてたんだ…。
私と、おばあちゃんのこと。




マグノアも、何だかんだで優しい。面倒見も良くて、人の気持ちに敏感。



その優しさが、とてもあたたかい。




照れたのか、マグノアはまた勝手に歩き出した。
私は、その姿を見ながら着いていく。





「ありがとうね。…でも、どうしてそれを?」




『あの人が、心配していたからな。』




「おばあちゃんが……?」