サクサク、と昨日と同様に、雪を踏みしめながら森の中を歩きながら、ふと思い出した。
「…あ。そういえばマグノアが戻ってきたら呼べって言ってたな…」
ふと思い出した。
さて、どうやって呼べば良いものか……
うーん……
「マグノアーーー!!!!!!」
とりあえず、大声で呼んだら来るよね!多分!
だけど……しばらく待っていてもマグノアが来る気配がない。
物音としない。
「あれー?呼んだらすぐ来る的なこと言ってた気がするんだけどなー………」
まぁ呼び続ければ来るでしょ、と考えて何度もマグノアの名前を叫び続けた。
…結局、7回くらい絶叫した。
でも、やっぱり来ない。
「おかしいなー……って、あれ??」
前方から、四足歩行の何かがこちらに向かって走ってくる。
雪が音を吸収していて、あまり聞こえないけど軽快に走っている足音も聞こえる。
まだ見通しが良くないからハッキリ見えないけど、それでもハッキリ分かる。
「あっ、来た!!」
私の元へと走ってきているのは、間違いなくマグノアだった。
マグノアは私の側まで走ってくると、無言でこちらを見ていた。
何か不満そうな気配はするものの、何でそうなっているのかサッパリ分からないので気にしないことにした。
「マグノア、久しぶりー」
『お前……』
マグノアが、私のことをジトっとした目で見てくる。
『……うるさいんだよ。』
「あ…ごめん。」
どうやら私が何度もマグノアの名前を絶叫したのがうるさかったらしい。
それで不満そうな顔をしてたんだ……。
『……行くか。』
そう言って、マグノアは勝手に歩き出した。



