【完】ダンデライオン






「たんぽぽちゃん!良かったら、コレも持って行って」





「え…?」





おばあちゃんが私に差し出したのは、ファムだった。
私はそれを、両手で受け取る。





ジップロックには、5コのファムが入っていた。
できたてみたいで、まだあたたかい。






「ファム……」


 



「そう!お腹がすいたら食べてね。」






おばあちゃんは、やっぱり…とても優しい。
ファムを持つ手から、あたたかさが広がる。





「…ありがとう。」





「何かあったら、いつでも帰ってきてね。待ってるから」





「うん。」






優しい言葉に、あたたかい食べ物。



おばあちゃんとの血縁なんて、あんまり、気にしなくても良いのかもしれない…。
だって、多分おばあちゃんは、そんなこと気にしていない。





それが、変わらない態度で分かった。




孫であった私も、本当の孫ではない告げた後の私も、同じように大切に思ってくれている。





それが伝わった今、言える気がした。