【完】ダンデライオン








おばあちゃんが階段をパタパタと降りていく音が聞こえる。



私はさっきまで借りていたリュックと、ローブをまた借りようと手元に持ってきた。




とてもあたたかい、真っ黒なローブを見つめる。
触ると、とても柔らかい生地で出来ている。




「………。」





何となく、複雑な気分だった…。




私は、ここで一人なんじゃないかと…思った。



雪の国の人たちを孤独なんじゃないかと思っていたけど…私も、孤独なのかもしれない、と……。




だけど、雪の国の人たちのために、エルノのために、何かしたいという気持ちは強かった。




一人でも、行くしかない。

「私を助けることができるのは、私だけ……」とつぶやいた。





ローブをジッと見つめながら、私はそんな風に考えていた。




そうするとおばあちゃんが1階から戻ってきた。