【完】ダンデライオン







おばあちゃんはそう言うなり、私の首にかけていたタオルを相当なスピードで奪った。




私の髪をガシガシとタオルで拭きはじめた。…ありあまったパワーを使ってくれているみたいで、時々痛い。




「たんぽぽちゃんが風邪ひいちゃったら困るからねー」




そう話すおばあちゃんの手つきは、声は、優しくて…私は、何だか泣きたくなった。




「………っ、」




こみ上げてきた何かをこらえていたら、おばあちゃんの手がパッと止まった。




不意に顔をあげたら、おばあちゃんの笑顔が見えた。
とても、キレイな笑顔だった。




「…終わったよ」





そして、おばあちゃんの手は私の頭を撫でて、手は離れていった。





そして、おばあちゃんの腕は私を抱き締めた。

私は驚きのあまり硬直してしまった。




「え……あの……」





「たんぽぽちゃん……色々とごめんね…。あなたが私の孫じゃないこととかは関係なく……大好きだよ。」