「うーん、何て言うのかな……穀物みたいな色々入ってるんだけど……雑穀パンみたいなものかな」





ふーん……
雑穀パンみたいな感じなんだ…


手にとったファムをジッと見つめる。






「うん。ちょっと甘みのある、素朴な感じの味かな!多分、美味しいって感じると思うよ?」





「んー……」






色がグレーって時点で少し不安だけど…とりあえず、食べてみよう。




ほんのひとかけら、ちぎって食べてみた。





特に食感の違和感はない。
普通のふわふわしたパンみたいな……。






「……あ、美味しい。」






「そうでしょ?雪の国ではポピュラーなんだよー」






そう話すおばあちゃんも、何だかんだで自分の故郷の食事をほめられて嬉しそう。





見た目にちょっと引いてしまったところはあったけど、空気を含んでいてふわふわした感触。





雑穀系以外には、フルーツなどは入っていない、シンプルなものだけど噛むとほんのり甘みが広がる。
そして何故か香りはとても香ばしい。





本当にパンみたい。





おばあちゃんは、私がファムを食べている間に紅茶を準備してくれた。






紅茶を飲みつつ、私はファムを二つ食べた。






昨日の連続素麺を思い出すとちょっと切ないけど、とても美味しい朝食だった。