おばあちゃんは私を自分の部屋に招き入れた。



やっぱりおばあちゃんの部屋はひんやりしていて、心地よい。



手持ちぶさただし、寝る前にも座っていたイスに勝手に座った。



おばあちゃんも、テーブルを挟んで向かいのイスに座った。





「お腹すいた?何か出そうか?」




「出す…?」




私がおばあちゃんの言葉の違和感に気付いて怪訝な顔をしているのに気付いたみたい。


左手の人差し指を立てて、私に見せた。




それを見ただけで、私は理解した。
この部屋で、この指で出来ることが一つだけあった。




「……魔法で出すってことね。」




「そのとーり!」




おばあちゃんは、私がすぐに理解したのを見て嬉しそうにしている。




「何か、食べたいものない?」



おばあちゃんは左手の人差し指を立てたまま、食べたいものを聞いてきた。




寝起きだからか、いまいち頭が回らない……




そんな私の様子を見て、おばあちゃんは「うーん…」と考えていた。




そして、何かひらめいたように「あぁっ!」と嬉しそうな声をあげた。




「……?」