あの日、あの空の下で…
私は、惚れてしまった。
あの優しさに…
あの顔に…
あの声に…
恋をしてしまった。
笑顔で言った、あの、あなたの声は、頭から、離れない…
私は、あの時、どうして、恋をしてしまったのだろうか…

「みゆー!みかね、ゆうのことが、好きなんだー」
「えー!そーなの?みゆは、まだ好きな人できないーっ」
ゆうとは、2年C組の男子だ。
2年C組は、私のクラス。
少しは、気にしていたが、あんまり好きでもなかった。
ゆうは、モテるといえばモテるし、モテないといえばモテない人だ。
最近クラスで、コイバナが、ひそかなブームだ。
最近、皆に
「みゆ、好きな人いないの?」
と言われるが、今のところいない。
だって、この、学校には、かっこいい人が、いないから。
だから、友達に
「中学になったら、かっこいい人を探す!」
といつも、言っている。
これは、本心だ。
心でいつも、思っている。
だが、友達からは、
「絶対いるでしょー!」
と言われる。
私は、本当にいないから
「絶対いるでしょー!」
と言われると困る。
「どうしろっての!」
とか思う…
ある日の授業中、みかが、言ってた事を思いだした。
「みかなぁ、ゆうのことが、好きなんだー」
みかが、好きなゆうの事が、気になった。
「どんな人なのか、かんさつしてみよー」
と心の中で、思った。
ゆうの席の方を見ると、授業を聞かずに空を見ていた。
私も、空が気になり、空を見た。
「うわぁー…」
思わず、声が、出た。
雲が、一つもなく、キレーな青空だった。
はっときずくと、ゆうが、こっちを見ていた。
思わず、前をむいた。
「みかは、どーしてるんだろ…」
と思い、みかの席の方を見た。
すると、みかは、ゆうに見とれていた。
「本当に好きなんだなー」
と思った。
休み時間、みかに聞いた。
「ゆうのどこが、好きなの?」
すると、みかは、
「なにー?急に!(笑)」
と言った。
「いや、なんとなく…」
と答えた。
「うんとねー…全体的に好きかな?」
「なんで、?(ハテナ)なのー!」
「だって…なんか、きずいたら好きだったみたいな…(笑)」
私は、ため息をついた。
「意味わかんないよー!(笑)」
「まぁ、みゆに好きな人が、出来たら、わかるよ!」
「わかんないって!(笑)」
この時さらりとながして終わった話は、私にとって、こんなに大事な事だとは、思ってもいなかった。
次の日、私が、大好きな図工が、あった。
図工は、2時間もある。
でも、みかと隣の席に座り、一緒に出来るから、大好きだ。
でも、今日は、違う子と座った。
だって、みかの恋を応援してあげたかった。
みかに
「今日は、かなちゃんと座るわー!」
と言った。
すると、みかは、悲しそうな顔をした。
だから、私は、
「ゆうの隣に座ってきな!」
と言い、みかの背中を押した。
「ありがとー!」
と言いながら、みかは、ゆうの席の方に走っていった。
絵を書いているとき、みかとゆうの方ちらっと見た。
すると、楽しそうに二人で、笑っていた。
みかが、ゆうに取られそうで、不安になった。
休み時間、みかとゆうの席のところへ行った。
すると、みかが、
「ねー!みゆもこっちに来たら?」
っとウインクをしながら言ったので、
「うん!じゃあ、そっちに行くー!」
と言った。
授業が、始まり、みかが、
「ちょっとお腹の調子が、悪いから、トイレに行ってくる…」
と言った。
私は、すごく心配だった。
みかが、授業中にトイレに行くことは、たぶん、初めてだったから…
心配で、授業の話なんか、頭に残らなかった。
そして、ぼーっとしていると、
「おい、大丈夫か?」
と小声で、ゆうが、言った。
「うん…」
と言ったが、本当は、大丈夫じゃない。
「しっかりしろよ!」
と小声で、にっこり笑顔で言った。
私は、その言葉にきゅんっときた。
はっと思って、
「だめだ!だめだ!」
と心の中で、言った。
すると、みかが、帰ってきた。
「?(ハテナ)どうしたの?」
と言った。
「どうしたの?じゃないよ!みか、大丈夫?」
「うん!ちょっとなおったから、大丈夫!」
と笑顔で言った。
学校が終わり、ご飯を食べて、お風呂を入った。
「しっかりしろよ!」
あの声を思いだした。
「だめだー!」
と叫んだ。
寝ようとしても、あの声を思いだす。
寝れない…
ちょっと外に出ることにした。
歩いても、歩いても、あの声が、頭の中でまわる。
「え?みゆ?みゆだー!みーゆー!」
「え?」
っと思い振り向くと、みかが、いた。
「みかー!どうしたの?こんな時間にー!」
「どうしたの?って、こっちが、聞きたいよー(笑)どうしたの?こんな時間に!」
「いやー!なんか、寝れなくて…」
「わたしもー…はぁ…」
「どーしたの?ため息なんか、ついて…みからしくないよ?」
「はははっ…みからしくないって、何それー!…」
「なんか、あった?誰にも言わないから、言ってみな!」
「… うん…あのね、ゆうってわたしのこと気にしてくれてるのかなって…不安になって…それで、考えてたら、寝れなくて…はぁ…」
「ため息ばっか、ついてたら、寿命が、縮まるよー!」
「何それー(笑)」
「なんか、テレビで、やってたー」
「絶対嘘でしょー(笑)」
「本当だよー!(笑)」
「… なんかみゆとしゃべってたら元気でた!ありがとー!みゆ!」
「うん!」
「じゃあねー!」
「ばいばーい!」
そう言って、私たちは、別れた。
「あ!…」
自分の事を忘れていた。
「え?」
と聞いてきたので、
「ううん!何でもない!」
みかに、言っても、だめだから…
友達として一緒にいられなくなるから…
「?」
と言うような、顔をしながら、みかは家に帰って行った。
私も、帰ろうとすると、
「ねぇ、君!」
と声が、聞こえた。
振り返ると、
「一人?おじさんと一緒にこない?」
と言われた。
気持ち悪い顔の40代くらいの人が、すぐ近くに立っていた。
「い、いやです!」
と言って家へ走って帰ろうとすると、腕をつかんできた。
「いいじゃん!一緒にいこ?」
と言われ、無理矢理何処かへつれていかれそうになった。
「いやです!離して下さい!…」
「バンっ」
と音が、した。
「中学生相手に何やってんだよ、おじさん!」
振り向くとゆうだった。
「ゆ…ゆう…?」
と言って私は、倒れた。
起きて、周りを見回した。
「あれ?」
知らない家のベットで、寝ていた。
「そういえば…!」
「起きた?」
ゆうが、あったかいお茶を持ってきながら、言った。
「ここ、ゆうの家?」
「うん。そーだけど…」
「ごめんね?私が、倒れたから…」
「別にいいよ!面白いのが、見れたし(笑)」
「え?」
と思ったら、ゆうが、私に携帯を見せた。
「あ!…」
私が、大きな口を開けて、寝ているしやだった。
「はははっ!」
「もぉー!最低!」
と言ってゆうを軽くたたいた。
「ごめん、ごめん!」
と言うと、私の携帯の音が、なった。
「件名:RE:
みゆー!
大丈夫?
もしかして、サボり?(笑)
まぁ、みゆだから、熱だと思うけど

みゆがいないと、面白くないよー!
しかも、ゆうも休みだし!
早く元気になって、一緒に遊ぼうね
ー♪
みかより 」
「誰?」
「みかだよー!やっぱ、心友だわー!」
「はははっ!」
「って、今日、学校じゃん!」
「今日ぐらい、いーじゃん!」
「うーん…ま、いっか!」
私は、立ち上がり
「もう帰るね!今日は、ありがとー!あっ!昨日もか!今日と昨日のことは、秘密だよー!
あと、あの写真消しといてねー!
じゃ!」
と言った。
帰ろうとすると、手をつかまれた。
「まだ、一緒に遊ばない?」
と呼び止められ、ゆうの方をむいた。
キラキラしてて、惚れそうになった。
急いで靴を履いて
「今日は、早く帰って、家で、ゆっくりしとくね!」
と言って走ってゆうの家をでた。
「気を付けてー!」
と声がしたが、振り向かなかった。
「振り向いたら、惚れちゃうじゃん!」
そう、小さな声で、言ってから、家へ帰った。
翌日
私は、学校へ行った。
みかは、
「もう、大丈夫なの?休んだ方が、良かったんじゃない?」
と言った。
他の友達も、すごく心配してくれた。
だから私は、
「うん!もー大丈夫!」
と言い、ピースサインをした。
ゆうは、今日も、学校に来ていなかった。
みかが、
「今日も、ゆう、休みだしー(涙)」
と言った。
「まぁ、いーじゃん!」
と言ったけど、
「私のせいかな…」
と思っていた。
放課後、ゆうの家に行くことにした。
心配だったから…
私のせいじゃないかって…
家の前まで、来たけど、チャイムが押せずに立っていた。
「やばい…どーしよ…」
と思っていた。
分からなくなって、
「また、明日にしよ!」
と思って家に帰った。
ベットに入るとゆうのことが、気になって寝れなかった。
「もしかして、今日も、外に行けば会えるかも!」
と思い、外へでた。
外へ出て、走りながら探した。
そして、やっと見つけた。
コンビニで、立ち読みをしていた。
「ゆ、ゆ…ゆうだ…」
と息をきらしながら、言った。
「じー…」
とガラスごしで、見ていたら、ゆうが、きずいた。
そして、ゆうは、目をそらし、きずいてないふりをした。
「あ!」
と思い、コンビニの中に入った。
そして、肩をたたいた。
「あ!いたんだ!ぐーぜん!」
と嘘っぽい感じで言った。
「うん!…っ」
と笑いをこらえながら、言った。
「こんな時間まで、いていいの?」
「寝れなかったから…」
「ふーん…」
と話をしていた。
「ねぇ」
「ん?」
「ゆうってさ…」
「うん」
「好きな人いるの?」
「うーん…」
私は、何故かドキドキしてしまった。
「今は、いないけど…」
「けど?」
「すぐ、出来ると思う!」
とゆうは、言い切った。
「っぷ(笑)」
私は、思わず吹き出してしまった。
「何だよー!」
「ううん!何でもない!っ」
「そうか?」
「うん、うん!」
こんな話をしている時、密かに安心していた。
ゆうは、みかのことが、好きじゃないんだって…

次の日
「ねー!みうー!」
とみかが、私を呼んだ。
「んー?何ー?」
「あのさー…」
「うん!」
「みうってゆうの事どー思ってるの?」
「え?」
意外な事を聞かれてビックリした。
「やっぱり、なんもない!」
「うん…」
私は、本当の事など言えなかった。
みかに嫌われると思ったから…
もう、友達でいられなくなると思ったから…
「ゆうのこと…好きだよ」
なんか言えるはずもない。

家に帰り、ソファでくつろいでいると、みかの言葉が頭の中で、思い出した。
「みうってゆうの事どー思ってるの?」
「好きだよ。好きだけど…みかの好きな人を取れないよ…」
思わず泣いてしまった。
「もう、どーしたらいいの?…」

次の日

気持ちがモヤモヤというか、ザワザワというか…
そうゆう感じになって学校を休んだ。
正確にはサボりだけどね…

「はぁ… もう、どうしたらいいの…」
この言葉を言うのももう20回くらいだ。

きずけば、もう5時半。
下校の時間だ。

ピンポン

あ、みかかな…
でたくないな…
のぞいてみよ…

丸い小さな穴からのぞいた…

「ぁ…」
思わず声がでた。
なんとゆうだった。

ガチャ

「あ、ゆう… 学校終わったんだね」
「おう!」
「突然どしたの?」
「いや、最近元気ないなって思ってさ…
大丈夫か??なんかあったのか??」
その言葉を聞いて私はないてしまった。
「え!?なんかごめん…」
「いや私が勝手に泣いちゃっただけだから…」
わたしは、本当は好きっていいたい。
でも、言えない…
みかのことを裏切ってしまう…
無視されちゃうかもしれない…
わたしは、そんなのに耐えられないよ…