「か、返してよぅ!」 私は一生懸命走るが、ケンイチ君はヒラヒラと逃げ回って追い付けない。 「返してってば!」 私は泣きそうになりながら叫んだ。 その時だった。 ケンイチ君の元に、ひとりの男の子が ズカズカ歩いてってそのままスコップを奪い取った。 「な、何だよ!龍!」 ケンイチ君はそう叫んだ。