最寄りの駅から、電車に乗り込んだ。

柴崎高校は、ここから3つ分、むこうの駅だ。

車内には、違う制服のヤツらがたくさん乗っていた。

みんながみんな、同じ高校を受験するわけではないだろうけど。


つり革につかまりながら、電車に揺られていると、ふいに、オレらとは背中合わせで立っている女子の話し声が聞こえてきた。


「ねぇねぇ、知ってる? 合格のおまじない」