たまに偶然、目が合うと、軽く会釈してくれるけど、ただそれだけ。

オレはずっと、彼女に会いにいく理由も…話しかける言葉も…見つけられずにいた。


コータはバスケ部に入って、毎日の部活に忙しそうだ。

前は時折、結衣や千明先輩の話をしてニヤけてたくせに、もう興味の対象が部活に向いたみたい。

最近ではふたりのことをコータが話題にすることはなくなった。


オレひとり、今でも頭の中、結衣のことばっか考えてた。