正直、こいつらのことなんてよく知らねーし。 知らないやつに自分のボタン持ってかれるなんて、なんか妙な感じがする。 前のオレだったら、速攻断ってたかも。 だけど、なんか……こういうノリも悪くないよな、なんて最近思い始めてる自分がいるんだ。 こういうの、心に余裕ができたって言うのかな。 「いーよ」 オレはそう言って、第2ボタンに手をかけようとする。 なのに。 「あ! いいんです! いいんです!」 目の前の女は慌ててオレを止める。 「第2はいらないんですよ」 「はい?」 何それ……。