別にそれに不満はなかったが、かといって、どうしても受かりたい……みたいな執着心もない。 滑り止めの霧山高校には合格したし。 柴崎と霧山。 どちらに行こうが、オレの人生、そんなに変わるもんじゃなくね? そんな風に考えてたら、ふいに目の端にチラチラと何かが映って、オレは窓の下を見下ろした。 えーと……もしもし? 見間違いかと思って、目をパチパチさせる。 だけど、どうやら見間違いでもなんでもないようだ。 あいつ……何やってんだ?