歩きだしたオレの後をコータが慌ててついてきた。 「ありがとうー。試験頑張って」 背後から聞こえた声は、結衣って女のものだと思う。 だけどオレはもう振り返らなかった。 歩きながら、コータがボソっと言う。 「やっぱ噂はホントだったな」 「何が?」 「レベル、高くね? 女子の」 「そっか?」 オレがそっけなく答えたもんだから、コータはそれ以上何も言わなかった。