翔は驚いたかのように、食べる手を止めてしまった。 確かに驚くのも無理はない。 まだ体の関係は一度しかなかったのだから。 翔の家は実家で、私にはその空間があまり好きになれなかっただけの事。 特に深い意味も持たなかった。 「それでいいなら今日泊まってく。」 そう言い放つと彼は我に返ったのか、分かったと相槌をうった。 店を出ると、星一つもない夜空が広がっていた。 今のあたしのように。