「今日仕事終わったら会える?」
「うん。いいよ。あたし街にいるから着いたら連絡して。」
そんな単純なメールのやり取りをして、重い体をお風呂場へと向かわした。
支度を終えて時計を見ると既に時刻は夕方を迎えていた。
お気に入りのヒールをはいて急いで街へと向かった。
ぼーっと行き交う人の群れを眺めていると、背後から彼はやってきた。
「凛花。」
その声がする方へあたしは振り向いた。
「どこ行く?飯でも食いに行くか?」
「うん。あたしあそこのパスタ食べたい。」
そう言うと差し出された手を掴み、いつもの店へと向かった。
ねぇ?
あたしと繋いだ手が汚れてしまうんじゃないかって、あたしは不安で怖くなった事をきっとあなたは知らないよね?
