affection

どのくらい翔の腕の中にいるのだろう。


重たい空気に冷たい沈黙。


先に口を開いたのは翔だった。


「…俺がいるから。だからもう、こんな事止めてくれ……。」


あたしの冷えた肩に一粒、暖かい雫がこぼれた。

「あんた、泣いてんの?」

「泣いてなんかねぇよ!」

そう言いながらも、途切れ途切れに震える腕が、それを事実とした。


「俺は、お前の事まだ全然知らねぇ。だけど初め会った時から、コイツなんか抱えてんなって思ってた。お前から自然と言える日まで待つから。だから、もうしねぇって約束しろ。」


あたしは信じれないんだよ。


その言葉さえ。


信じたいはずなのに、あたしは信じれない。


どうしたらいい?


……どうしたら


……信じれる?