affection


言い訳もする気にはなれなかったし、する必要もないと思った。


「腕見て言ったんなら、言わなくても分かってんでしょ?」


あたしは冷めた目で翔に言った。


「俺、ヤクやったりすんの好きじゃねぇ。」


「だったら何?別れる?」

あたしはベッドから起き上がり着替えようとした、その瞬間――


強い力によって、あっさりとベッドに戻されてしまった。


「………もうやるな。」


消えそうな声があたしの耳に届く。


「偉そうに言わないで。あたしが選んで勝手にやってんの。あんたがとやかく言う必要ないから。」


「っざけんな!!惚れた女がそんな事やって、見て見ぬふりできっかよ!」


「てか、あたしの事そこまで心配しなくていいから。あたしにはこーゆー生き方しか出来ないの。それが嫌ならあんたと続けてくの無理。ごめんね、あたしはこーゆー女だから。だからそこ、どいてくれる?」



これだけ言えば大抵の男はヒくだろう。


やっぱり「あの人」と重ねても意味なかった。

なんて考えてるあたしを抱きしめたのは、紛れもなく翔だった。