affection


「あたし先にシャワー浴びるけど、翔はどうする?」

「えっ?俺はあとでいいよ。」

「じゃあ先いってくる」


軽い女だと思っただろう。

シャワーを勢いよく浴びながら、そんな事を思った。


翔は友達のツレで偶然知り合った。


初めの印象はお互いに良くなかったはず。


いかついBボーイで、クォーターだ。


女遊び激しそう。
それが翔の第一印象。


ケー番を交換して、あたし達はまた会う約束をした。


場所はHIP HOPの盛んなクラブだった。


暫く寝てなくて、フロアに座りこんだあたしにキスをして自然と付き合う形になったんだっけ。


そんな出会いから始まった翔とあたし。


あの頃のあたしに感情なんてものはなくて、いつも心と頭は空っぽだった。

生きる事も死ぬ事も出来ない中途半端がお似合いな生きた人形だった。