気づくと、さっきまでいた女の子達は既にいなくなっていて。
昇降口には、鮎夏とあたしと豹先輩と、数人の生徒だけになっていた。
「いつまでボーっとしてんの、そろそろチャイム鳴っちゃうよ。はやく教室行かなきゃ!」
うわ!
遅刻はヤダ!!
鮎夏と一緒に教室に向かって走り出そうとするけど、何故か前に進めない。
……豹先輩があたしの腕を掴んでる。
「えっ。先輩?」
先輩は…
あたしのことをじっと見つめていた。
恥ずかしいから逸らしたいけど、
真剣で、逸らすことを許さない瞳。
「さっき言ったこと、本気だから。」
それって
"姫那に会えないとか、耐えられそーにない"
本当に…?
先輩、本当にそう思ってくれてるの……?
「あ…たし…も」

