王子様と眠り姫




「友達とか待たせたりしねぇの?」


あ……


鮎夏に電話するために、急いでケータイを取りだす。


新着メール1件



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差出人:鮎夏
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今日先帰るね〜

邪魔しちゃ悪いしっ!


ちゃんと片桐先輩に送ってもらう
んだぞー★


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あ…鮎夏さん?

あたしを置いて

帰っちゃったんですかっ……




てかなんで豹先輩がここにいること分かって…?



「ははっ、どんまい」


なんて笑いながら、豹先輩はあたしのスマホを覗き込んでる。


窓の外は、いつのまにか薄暗くなりはじめていた。



「もう暗くなるし、送る」

「えっ…大丈夫ですから!先輩に迷惑かけたくないし…」


「なんかそれ、前も聞いた気がする…」

クスクスと笑う先輩。


クスクス笑いまで似合うとか、やっぱイケメンさんは違うなぁ……