王子様と眠り姫




「ごめんなさい……」



あたしは、この先輩の名前もクラスも知らない。

せっかく付き合うなら、ちゃんと好きな人とがいい。


好きじゃないのに付き合ったら、相手も自分自身も傷つくだけだと分かっているから……



「なんで?俺じゃだめ?」


う……

諦めてくれない……



「せ…先輩とは今日初めて会っただけだし、あたし先輩のこと全然知らないので…」


「……っぜぇ」



え…?




さっきまで優しそうだった顔が、いきなり怖い顔に変わる。



「どーせ、好きな奴じゃないと付き合わねぇとかおもってんだろ!?

そーゆーの、いちばんうぜぇ」



は、はぁぁあぁあぁああ⁈⁈