「お。あーちゃん、よく来たね。」 お店の半分は駄菓子で埋め尽くされていた。私だけでなく、小学生にとっては楽園のような所だった。 「保(たもつ)おじちゃん!今日も来ちゃった!」 私の名前である梓(あずさ)をもじって「あーちゃん。」といつも呼んでくれるのは そこの主の保おじちゃんだ。 年齢は50代後半、優しい人を思わせるタレ目をいつもくしゃっとして笑いかけてくれる。 私はそんな保おじちゃんが大好きだった。