コーヒーを一口飲むと、美佳さんは 「梓さんにお礼を言いたくて。本当にありがとうございました。」 そう話した。 「…へ?」 私が訳もわからずにそう返すと、 「父は、梓さんのこといつも楽しそうに私に話してくれたんです。 『孫ができたみたいで嬉しいんよ。寂しいじじいの一人暮らしが、あーちゃんが来てからぱっと明るくなった。』って。」 美佳さんは微笑んで私を見ながらそう言った後、 「私はなかなか実家にかえれなかったから …一人娘なのに。」 悲しそうにボソッと呟いた。