私も気付けば涙目になっていた。



「あーちゃん、頼むから、どんなときでも自分は独りだなんて、思わんといてくれ。あーちゃんはいろんな人に大切にされて今を生きてるんだよ。辛いときは帰ってきておいで。おっちゃんはいつでもあの店であーちゃんを待ってるから。」


発車のベルが鳴る。



「…あ…りがとう、本当にありがとう。私、ちゃんと自分を綺麗に咲かせてみせるから!」


ちょうどその瞬間、新幹線の扉が閉まった。


新幹線はすぐ走りだし、みんながあっと言う間に見えなくなった。