中学生のとき、かなこちゃんと巾着袋の話をしたときにかなこちゃんは言った。


「あの時仲直りしたあと、たまたま野澤商店に行ったんよ。そしたらおじちゃんがね、私にこっそり言ってきたんよ。」


『あの子、お母さんにあまり構って貰えんで、かなこちゃんの巾着袋が羨ましくてしょうがなかったんよ。でも壊した事はいかんし、あーちゃんも十分反省しとる。ごめんばってん、許してやってな。』



私はビックリした。
おじちゃん、そんなこと言ってたのか…



「本当におじちゃん、あーちゃんの事可愛がってるんだなーって小学生ながらに思っちゃった。 」


かなこちゃんは
「幸せものー」
と言いながら、私の背中を軽く叩いた。



二人で歩く空の夕焼けの色がとても綺麗だった。