「確かに、かなこちゃんの巾着袋を壊しちゃったのはいかんやったな。かなこちゃんのお母さんが一生懸命作ってくれた、この世にたったひとつのものや。」
私は「うぅ…」
と泣きつづけていた。
「あーちゃん、羨ましかったんやなぁ?お母さんが一生懸命作ってくれた巾着袋なんて、誰もが持ってるものじゃなか。」
その通りだった。
私の母は巾着袋なんて作ってくれるはずもなく、私は市販のピンクの無地の巾着を使っていた。
「明日、かなこちゃんに、精一杯謝ろう?な?大丈夫。巾着袋はきっとかなこちゃんのお母さんが直してくれる。心を込めて、謝ればきっと許してくれるから。」
おじちゃんはそういいながらずっと私の頭を撫でてくれた。