「…かなこちゃんの大事な巾着袋、壊しちゃったの。かなこちゃんの巾着袋、かなこちゃんのお母さんの手作りですっごく可愛いの。」


おじちゃんは、うんうんと頷いた。


「だから、羨ましくて、ちょっとだけ貸してよって言ったらダメって言われてて…私も意地になって引っ張りあいっこしたら壊れたの。」


私はさらに泣きながら



「かなこちゃんに、『ひどい!もう絶交!』って言われちゃったよぅ…ぅぅ」



すべてを聞き終えると、
「そうかそうか。」

と、いいながらおじちゃんは私の背中を撫でてくれた。