顔を押さえて、うー、とか言ってる雪斗に、私はゆっくり話だした。
「勘違いしてほしくないんだけど、私、西川とはなにもないよ。
その…話の内容って言うのは、ゆ、雪斗のことを相談していたの…」
雪斗がゆっくり顔をあげて、私の目を捉
えた。
「雪斗と一年も付き合えて、私はすっごく幸せで。
でも、前に友達に、私たちの関係はおかしいって言われて。
なんか、私は本当に雪斗に、好かれてるのかな、焦って。
だって、雪斗から、す、好きって言葉、きいたことなかったし…
だから、おしゃれしてみたり、好きっていってもらえるように努力したんだよ?」
視界がぼやけて、うまく話せなくなってきた。
雪斗に伝えたいことが、溢れだしてきて。
それが涙になって、私の頬を濡らした。
慌ててその涙を拭おうとしたとき。
雪斗の手が、私の頬に触れた───…

