「あ。そうだ、愛斗!今日、遊びに行くんだよね?」

私は大きな声で、愛斗に笑顔を向けて尋ねた。

「あ、あぁ;;」

愛斗は少し戸惑った様子で返事した。

「じゃあ、一緒に遊んでやるから、私の提出物…手伝って」

私は机の中から社会のプリントを取り出した。

「何で上から目線なんだよ;;」

愛斗は苦々しい顔をする。

「まあ、そこは気にしない^^」

私は笑顔で誤魔化した←

「何だ、こんなの簡単じゃねーか。十分で終わるぞ?」

翔はプリントを覗き込む。

「うるさい。私には難しくて何のことかサッパリなの」

私は半眼で訴えた。

「よぉーし!じゃあ、オレがやってやろう」

蓮太は意気ごんで、私のシャーペンを持つ。

「だめ。レンはどうせ分かんないでしょ」

私は蓮太からシャーペンを取り上げた。

「えぇー。分かるよー」

「じゃあ、『1980年代後半から1990年代初めにかけて、地位や株価が大幅に上昇した経済状況を表す言葉は?』」

私はプリントの一番簡単な①を読み上げた。

「バーゲンセール!!」

蓮太は即答で、勢い良くドヤ顔で答えた。

「……」

愛斗と翔は呆れた顔をして、頭を抱えた。

A,バブル経済。

まあ、しいて言うならバーゲンセール前じゃね??…ま、いっか。

「第二問」

私は面白いので、もう一問出すことにした←

「『1549年に日本に初めてキリスト教を伝えたので、特に有名な人物は?』」

「ハゲ!!」

蓮太の答えに、愛斗と翔は「おぉ~」と声を上げた。

「レン、すげぇな。正解だぞ」

愛斗は少し驚いた顔をして、蓮太を褒める。

「やれば出来るんだな」

翔も首を縦に振りながら感心する。

A,ザビエル。

ハゲには変わりない←

「お前ら、歴史上の人物に失礼だな」

私は本気でこいつらの脳みそを疑った←

「つか、全部書いてよぉ~。ね、愛斗^^?」

「あぁ」

愛斗は美桜のちょっとした優しさに、微笑んだ。

大丈夫…大丈夫だからね。

私は…君達の味方だから…。