僕のアメ♪

車の中から、さらに3人の男たちが出て来た。

私は周りを見渡したが、誰もいなかった…。

「……っ」

私は男たちに囲まれた。

黒い服が、私の視界を黒く染める。

黒い闇の中で、私は見つけた。

幼い頃の自分を…。

私の中の幼い少女は人形片手に、悲しい顔をして私に背を向けた。

「……ぁ!」

幼い少女を引き留めるように伸ばした手が、そのまま力なく落ちてゆく。

私は昔から、独りで…ずっと独りで…誰かに助けを求めても、助けてくれる人はいなかった…。

だから、逃げたんだ。

全部関係ないフリして、自分が傷つかないように見て見ぬフリしてたんだ。

泣いても泣いても消えない記憶。

いない、いない、誰も…。

初めから分かっていたはずなのに…。

求めなければ良かった。

「……っ」

涙と共に、愛斗の笑顔が消える。

ずっと逃げてれば良かった。

涙で前が見えなくなる。

幼い少女の周りは黒く包まれる。


最初からここには…誰もいないんだから…