数日前の出来事だった。

「そうなんだ~」

「そうそう、でさ…」

私たちが話していると、「とうっ!!」と急に勢いよく金髪の少年が愛斗に後ろから抱き付いてきた。

蓮太は体操服姿だった。

この時は初めて会って、何て話し掛けたらいいか分からなかった。

ていうか、金髪だったので、少し怖かった←

ついでに、勢いよく抱きついて愛斗の首を絞めていたので怖かった←

「うっ;;レン…痛い;;」

「あ。ごめん」

愛斗のマジな表情を見ると、蓮太は素直に愛斗から離れた。

「…何か用か?」

愛斗は腰を押さえて、背筋を伸ばす。

「次体育だよ。早く着替えないと遅刻する」

蓮太は少し口を尖らせて、拗ね気味に言う。

「あ~マジか。どうしよーか…」

愛斗は頭を掻きながら考える。

「珍しいね。愛斗が体育をサボろうなんて」

「だって今日、持久走だろ?だりぃ」

「あ。そっか。バレーじゃないんだ」

蓮太は愛斗の言葉で、今日の体育が最悪なことを知った←

「やっぱ俺サボるわ」

「な~んだ。持久走ならオレもサボる~」

蓮太は腕を頭の後ろに回して呑気に言う。

そこに、黒髪の少年も近づいてきた。

「おい。お前らサボるのか?」

翔は眼鏡をかけて、ポケットに手を突っ込んでいた。

「うん。今日持久走なんだって~」

蓮太は翔の顔を覗き込みながら言う。

「何だ、知らなかったのか」

翔は蓮太に顔を近づける。

「翔。お前もサボれば?」

愛斗は翔に呼びかけた。

「……」

「真面目な優等生なら、どうせ本気出せないだろ」

「…真面目な優等生なら、サボらないな」

「はいはい。じゃあ真面目な優等生くん!…頑張ってな」

愛斗は呆れた顔して溜息ついた後、半眼でポケットに手を突っ込んだ。

「あぁ」

翔はのんびり授業のために体育館へ向かった。