岸咲学校:下足センター

…を、通り過ぎて…←

愛斗と蓮太と私は、裏に回る。

下足センター付近は、遅刻者を捕まえる奴らが待ち構えているからな;;

「…誰かいる?」

私は声を殺して、辺りを警戒しながら先に前を行く二人に尋ねた。

「レン、誰かいるか?」

愛斗は先頭を行く蓮太に尋ねた。

「ちょっと待って」

蓮太は真剣な顔して、階段の上を覗きこむ。

「…誰もいないみたいだ」

「行くぞ」

愛斗は蓮太の返事を聞いて、足音を立てないように階段を駆け上がった。

「ちょ…待って;;」

私は二人の後を追った。

3階までたどり着くと、愛斗と蓮太とはお別れだ。

言ってなかったが、愛斗とレンは私より一つ上。

二人は高二で、私は高一。

「じゃあね^^ありがと」

私は手を振った。

「あぁ」

愛斗は少し笑って言ってくれた。

「美桜、気を付けろよ」

蓮太は笑顔でそう言った後、親指と人差し指を立てて銃を私に向けた。

「??」

「じゃあな!」

蓮太は真剣な顔して、壁に張り付いて教室までゆっくり行った。

乗り込む寸前の警察官みたいだ。

「馬鹿でしょw何に気を付けろってんのww」

私は吹き出してしまった。

「帰りも迎えに行くから」

「了解」

私はそう言って蓮太の所に行く愛斗に、笑顔で返事した。

「愛斗!バレる!!;;」

蓮太は声を殺して、焦った様子で言う。

「阿保か。早く入れよ」

愛斗はため息をついて、教室の扉を開けた。

「あーあ。何だよー。ちょっと楽しかったのに~」

蓮太は少し残念そうに口を尖らせた。

「ハイハイ」

愛斗は蓮太の背中を押して、先に教室に入れた。

「ちぇ…」

蓮太は拗ねたまま、中に入った。

「……^^」

愛斗はまだ様子を見ていた私に気付いて、笑みを浮かべて手を振って入って行った。

「……ふぅ」

私は微笑んで、4階へ向かった。